ハンガー・ゲーム

Cinema

(2012年/アメリカ)

シリーズ化ということもあってか、何かとジャケットを見る機会が多くて気になっていた映画。そのジャケットから弓矢を使う美女(ジェニファー・ローレンス嬢、初見です)が主人公だと知りつつも、そのタイトルからハンガーを武器に用いた「刑事物語」の武田鉄矢氏の顔が思い浮かぶのは日本国民の性か。

12地区から選抜された24名の男女による殺人サバイバルをブルジョア民が「ゲーム」として鑑賞する、という八方塞な設定なのですが、前述のとおりなまじ「シリーズ化」を知っていることもあって主人公が生き残ることは確定しているわけで、出来レースを見せられているような感覚でした。

こうなると「いかに予定調和を回避していくか」に尽きるわけですが、妹のような女の子とも戦わざるを得ないことになるかと思いきや、主人公がよけた別のプレイヤーの武器が刺さってあえなく死亡。敵だか味方だか分からなかった同地区の男の子は序盤、敵プレイヤーチーム側で主人公を狙うまさかの展開。「おっ?」と思う間もなく、いつしか恋人モードに。観ている側に感情移入させる隙を全く与えてくれません。

終盤のゲーム主催者による安易なルール変更に「付き合いきれんわ」という主人公の気持ちが、観ている我々の感情そのままでした。これを感情移入というべきか否か。

そんなこんなで「これから2作目を作りますので、そこんとこよろしく!」的なフィナーレ。うーむ。

エンドロールにあのレニー・クラヴィッツ氏の名が!この映画で一番素直に驚いたことです。うーむ。

コメント

  1. OJ より:

    観てる側に全く感情移入させる隙を与えない映画というのも凄いですね(笑)制作者側にとって殺人ゲームに格差社会という鉄板設定ではもはやそんなものは不要で、「シリーズ化するんでヨロシク」っていうのが最大のミッションだったのではないでしょうかw

  2. C&P より:

    コメントありがとうございます!映画なんてそれこそ頭の抜群に良いプロが寄ってたかって大金を使って作っているわけで、観客なんて手の平の上なんですね。どうとでも誘導できますし、観客もそれを楽しみに観ているわけです。そういう意味でもここまでくると、OJさんの仰るとおり「ほらね、こんな極端な設定なのにどこにも感情移入できなかったでしょ?さあ2作目はどうでしょうかねぇ」という制作者サイドの悪意溢れる「ハンガー(悪趣味な)・ゲーム」としか思えません。まぁそれも「よーし、受けて立ってやろうじゃないか!」という観客が少なからずいることをちゃんと計算してのことでしょうけれど。ややこしい世の中です。