レナードの朝

Cinema

(1990年/アメリカ)

タイトルは聞いたことのある名作風情な作品。例によって触手の伸びない類いの作品ですがなんとなく鑑賞。

固まったまま動かなくなる精神病患者たちとある医師との物語なのですが、何はともあれ医師役のロビン・ウィリアムズ氏(「グッドモーニング、ベトナム」、
「いまを生きる」(いずれも未観))の滋味溢れる微笑みに癒されます。

そして患者役はあの「ゴッドファーザー」ロバート・デ・ニーロ氏!この作品の演技で第63回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされているのですが、個人的にはロビン氏の演技・存在感に軍配です。

不動と思われた精神患者たちが、投げられるボールや特定の音楽に反応するくだりが実にコミカルに描かれ、ロビン氏の微笑みとも相俟ってほっこりさせてくれます。

さらに新薬を投じて動きを取り戻す患者たち。たまたま見かけた女性見舞客に心奪われるロバート氏。彼女との病院の食堂でのダンスシーンは名場面でしょう。

ロビン医師と、特に美人でもない(失礼!でもそれがまた好ましい)ベテラン看護婦との関係も良かったですね。

そして映画は思わぬ方向へ向かって終わります。今まさに世界中で医療や命について誰もが関心を寄せる中、「医療とは」「生きるとは」「幸せとは」というテーマが一層胸に迫ってくる作品でした。「名作風情」あらため、やはり「名作」といえましょう。

コメント

  1. OJ より:

    レナードの朝は私も名作として(未鑑賞ですが)認識しておりましたが、やはり名作でしたか。ロビン・ウィリアムズさんは色々な映画でお見かけしましたが、亡くなってしまったんですよね。CPさんおっしゃる通り何とも滋味深い方でした。
    「医療とは」というCPさんの問いは、正にそのあとに続く「生きるとは」「幸せとは」という問いに繋がるテーマですよね。そのようなことを感じさせる映画とはやはり名作だという事でしょう。「名作風情」な映画も捨てがたいですが。

  2. C&P より:

    「名作」(風情を含む)を観るのが本当に苦手で、恐らくそういう作品を観て「え?何にも感じないんですけど」ということになって「世の人たちと何かが致命的にずれているのでは」と思うのが怖いのでしょう。踏絵的なハードルを感じるんですね。
    あと邦画によくある「余命何か月」ものみたいな「泣かせる映画」=「名作」という構図も苦手です。
    というわけで苦手な「名作(風情)」ですが、いざ観始めると「あれ、思ってた感じと違うな」となって、「思ってた感じと違う」エンディングを迎えて、「思ってた感じと違うけど、やっぱり名作だよな」ということになります。
    要は喰わず嫌いなんですが、それでも『いまを生きる』なんてタイトルを見ると「絶対に観るもんか」と思っちゃうんですね。やはり何かが致命的にずれているのでしょう。