目撃者

Cinema

(1999年/アメリカ)

見終わったあと、なんか「土曜サスペンス劇場」を見たような印象を受けたのですが、調べてみるとこの「目撃者」はテレビ映画だったんだそうです。主演のナターシャ・ヘンストリッジさんはいうならば沢口靖子さんみたいなもんでしょうか。

いろいろな伏線があるようで、結局それらも昇華されないままでした。何故ヒットマンがわざわざ女性の家をFBIだと偽って(アメリカ映画において「FBI」というと、ちょうど水戸黄門の紋所のようなもので、大概何でも許されてしまう便利な存在です)1週間も間借りする必要があったのか。

それなのに「目撃者は生かしてはおけない」と言う。それならもっと初めから方法があるだろうに。わざわざ目撃者を(しかも1週間も目撃しつづけているのだ)作っておいてそれは無いだろう、と。

主人公の女性が男前のヒットマンにプレゼントした鷹の指輪をヒットマンは捨てきれずにそっと指にはめる。思わせぶりなシーンなのに最後までそれっきり。

主人公の担当となった若い警察官は主人公に恋心を持っていそうで、その若い警察官の同僚の女性は彼に好意を持っていそうで・・・でも別に何も展開しない。

ヒットマンは後半から何かを思い出したかのようにライフルの照準を合わせながら「パパは死に、ママは泣き、子どもは消える」という言葉を呪文のように唱える。彼がヒットマンになった背景があるのかな、と思わせて特に何もない。

序盤に主人公が飼っている鷹の視点からのカメラワークがあってヒットマンたちをじっと「目撃」しているのですが、それも別に何の意味もない。序盤で逃げ出した鷹も最後にはひょこっと主人公の部屋に戻ってきて終わり。

いちいち書き出すときりがないですが、なんともアチコチに破綻が見られる脚本でした。

最後にどうでもよいですが、暗殺組織の捜査会議のワンシーンです。

ここは波止場か?サスペンスも何もかも忘れて吹き出してしまいました。

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