美女と野獣

Cinema

(1946年/フランス)

「美女と野獣」といってもディズニーでもなく、エマ・ワトソン嬢でもありません。あのジャン・コクトーが監督・脚本、もちろん白黒です。

冒頭、二人の若者が建物に付いている的を目がけて放った矢が窓を抜けて、床に寝ていた犬の横に突き刺さる、という無茶苦茶さです。大らかにも程がある。

この二人の青年やいじわるな二人の姉たちの扱いが何だか雑で、4人がかりでなんやかんやとベルに絡む割には詰めが甘いです。映画なんだからいじめるのならしっかりいじめる、口説くならしっかり口説く。監督ぅ、お願いしますよ。

肝心の「美女」と「野獣」ですが、野獣の「ベェェェルゥゥ~~」という独特のセリフが耳につくばかり。さっきまで4人がかりの不甲斐ない攻めに不甲斐ない反応を見せていた美女の方はといえば、「さっきまでのあたいはね、人間が相手だから下手に出てたまでよ。獣には獣なりの対応をさせていただくわよ」という感じで野獣に対してはちょっと当たりが強かったりします。

それが最後には想定通り「獣とはいえ、死なないでぇぇ~」となる、その気持ちの移り変わりが追い切れませんでした。ベェェェルゥゥ~~!!

ジャン・コクトー監督作品は「オルフェ」しか見ていませんが、かなり独特な世界観があって怪作でした。本作でもセットもカメラも野獣メイクも凄いのに、あれに比べるとちょっと物足りないのは贅沢なのでしょうね。

野獣の城に迷い込んだベルのお父さんの影が城の扉に大写しになるシーンはゾクッとしましたが。

コメント

  1. OJ より:

    グダグダ感溢れる白黒映画の美女と野獣!CPさんの映画鑑賞レンジは広いですねw
    この話はキチンと見た事が無くストーリーを把握してないのですが、ヒロインの「獣には獣の対応をします」という姿勢は、毅然としているようで少し間抜けな感じがして好感が持てます。男は皆獣にようなものなんですけどね(笑)

  2. C&P より:

    最近の洗練されきった映画ばかり観ていますと、逆に当時のグダグダ感が「一生懸命セット作って、演出して、演技して、色々アングルとか工夫して撮影してます」というのが伝わってきて、それが良かったりします。音楽でも小奇麗にまとまっているよりつたない演奏の方がなんだか胸に迫ったりしますもんね。程度によりますが・・・ぐっ。OJさんの仰るとおり男は皆獣なんですから、野獣も野獣なりの対応をしちゃえばいいものを、「宝物全部あげるから必ず戻ってきてくれ~ベェェェルゥゥ~~!」確かに男たるもの、そういう面もありますが・・・ぐっ。