(1980年/日本)
そもそもは楽曲投稿サイト「クレオフーガ」である方がこの映画のテーマソングをカバーされていたのがきっかけです。日頃洋画ばっかり観ているのでたまには邦画の昔のやつを観てみようか、と。
松田優作さん主演ですね。「太陽にほえろ」の時からMADな役者さんだという印象でしたが(「探偵物語」の時は薬師丸ひろ子嬢の引き立て役として遠慮していたのかあまりMADな印象はない)、これはもう極め付けのMADさですね。
いろんなサイトで言及されていますが、泉谷氏のエピソードがどこにも繋がっていないんですね。銀行襲撃に「一人足りない」と泉谷氏をマークするも街角で座り込んで邪魔な泉谷氏を遠めのカメラが捉えるだけで、「何故彼が選ばれなかったのか」という説明が一切ない。
あるサイトによる「カットされ過ぎて意味が無くなってしまった泉谷氏」ということみたいです。それにしても何かやりようがありそうなもんですが。
ラストも「特に結末は現在でも日本映画における難解なラストシーンのひとつに数えられている」とWikipediaに触れらているとおりですが、個人的にはPTSDを発症した松田氏の白昼夢(あるいは発狂)だという解釈です。そもそも事件も隣の席の小林麻美嬢もハマり役の室田日出男刑事もアフロにアロハの鹿賀青年もいなかったのだ、と。
豪華すぎる松田氏の部屋も、小林嬢のあまりに安易な恋心も、嵐の別荘での殺人も、走る列車の窓からの逃走も、洞窟の中の狂騒もすべて「夢」だとすれば説明がつきます(というか説明不要)。
まぁ、何はともあれやはり松田優作氏の存在感・演技を観る映画なのでしょう。
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