6才のボクが、大人になるまで。

Cinema

(2014年/アメリカ)

タイトルが示すように6歳の主人公が実際に大人になるまでを撮り続けた映画、という予備知識はあったので「何だかしんどそう」という理由で未鑑賞だった作品。今回思い切って観ましたが面白い映画でした。

親が離婚したり、再婚相手の義理の父親が最悪だったり、いじめにあったり、恋人と別れたり・・・予想どおりのしんどい内容全部盛りなのですが、なんせ12年間を3時間弱でまとめないといけない都合上、それぞれのエピソードは深追いされることなくサラッと場面が(年月が)過ぎていきます。

「多分このあとしんどかっただろうな」「義理の父親の元に残った子どもたちは最悪だったろうな」と全ては観る側の「想像にお任せします」でどんどん映画は進むので観ていて気が楽です。

子どもから大人になる過程や、家族の関係や、時代背景や、色々なテーマが示されていて、ある評論家からは「本作は観客に十分に考えさせることができていない」という批判があるとのことですが、そういうところも含めて数多ある映画から一線を画したチャレンジングで良い作品だと思うのですが。

現実はずっと時間も空間も思考も流動していて、それを映画という枠で捉えようという心意気と、それが作品としてきちんと成立しているところのバランスが絶妙です。

ダメ親父だけど憎めないイーサン・ホーク氏の存在感も大きいですね。

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