(2017年/アメリカ)
珍しくドキュメンタリー映画です。ひたすらにニューヨーク公共図書館(といっても分館がいくつもありますが)をメインに、ナレーションもテロップも出ない205分間。あとからネットで調べて「エルヴィス・コステロが喋ってたのか」と。それすら紹介されないんですから徹底した傍観ドキュメンタリーです。
ところがこれが見飽きないんですね。冒頭のオープンスペースでの講演会(?)の映像から惹き込まれます。話に聞き入る老若男女の真剣の眼差しに「日本でこんな光景ってあるのかな」と思わされるんですね。
図書館員たちのミーティングもたびたび登場しますが、そのほとんどが「予算をいかに獲得するか」「予算をどのように有効に使うか」。基本的かつ生々しい議題を倦むことなく議論し続ける館員たちの真っ直ぐな姿勢に頭が下がります。
本筋(といえるものはないにせよ)とは関係ありませんが、男性も女性も皆さん実に良い声の人が多かったです。当方をはじめ日本人のぼそぼそ声を思うとこりゃ敵わないよな、と。
変に演技とか役者とかストーリーとかを押し付けられるよりよっぽど心に残る映画でした。
コメント