GOSFORD PARK

Cinema

(2001年/イギリス)

今回のMy映画ブームのひとつのテーマは「脚本」だと思っていて、やっぱりあの「スティング」の驚きをもっと体験させて欲しいというのがあるわけです。

というわけで、「脚本が秀逸な映画選」みたいなサイトで紹介されてる映画をピックアップしていこうと。まずは「GOSFORD PARK」です。

ゴスフォード・パークに一票。
演出も過剰じゃなくて良い。
アカデミー賞も納得。
久しぶりに繰り返し見たいと思う作品だった。

「ゴスフォードパーク」ビデオで改めて見たけど、
やっぱりよくできた脚本だと思う。
これのアカデミー賞は納得だな。

というようなコメントがあって期待して見ました。

まず致命的なのがイギリスの映画ということで当然登場人物が英国人(数名米国人もいましたが)であり、「顔が覚えられない」ということです。これはもちろん映画のせいではなくて個人的な欠陥なのですが、例えば牧場の馬たちの個々の顔が識別できないのと同じレベルで「全員外国人」となってしまう。「えーっと、この人誰だっけ」とやっているうちにどんどんストーリーが進んでしまう。

あと、ゴスフォードパークという洋館で起こる殺人事件ということなので、「犯人は誰なのか」というのがメインテーマだと思っていました。確かに最初から怪しげな挙動の登場人物が何人もいて「これは難解な事件になりそうだよ、ワトソン君」と身構えていたのですが、ラストは結構あっさり「私がやりました」というような感じで、毎週「名探偵コナン」を見て(見てないですが)あらゆる殺人事件のからくりに精通している日本人としては物足りないのかなと。

でも、この映画のテーマというのは洋館での殺人事件の犯人捜しではないのですね。あくまでも当時の英国が抱えていた「上階」と「下階」という建物の階層で表現されている身分制度の歪みなのです。上階は上階で建前と本音、お金と見栄だらけ、下階は下階で自由に平等にやっているかといえば決してそうではない。

そんな非建設的なものを抱えた英国という国の衰退、というようなところへも繋がっていくような世界が描かれています。「そりゃ、誰も彼も内側向いてそんなことばっかりやってたら国も潰れるわ」ということですね。そういう意味では単なる殺人事件の謎解きに留まらない優れた脚本だと言えるのかもしれません。「えぇ!殺された伯爵の愛犬が真犯人だったとは!」というようなビックリ感はないにせよ。

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