(2016年/スペイン・アメリカ)
いかにも弱弱しい少年と病弱なお母さんと厳格な祖母、学校には3人組のいじめっ子という、ある意味ド定番な設定、そんな彼の前に毎晩深夜12時7分に現れる巨木の怪物が語る物語とは・・・。
この映画で初出演という少年コナー役、ルイス・マクドゥーガル君の演技が秀逸です。子役の凄い映画というのは時々ありますが、調べてみると結局その作品だけで終わっていることも多くて、彼もWikiPediaにページがなかったりします。少年少女時代独特のオーラをまとった演技の持つ凄みは、やっぱりそのときにしか出し得ない類いのものなのでしょうね。
終始不機嫌な祖母はシガニー・ウィーバー女史!怖さに重みがあるわけです。コナー君が甘えられるはずもなく、彼に大事な骨董品や部屋を無茶苦茶にされたシガニー女史の声にならない怒りは見ているこちらも戦慄しました。
善とも悪とも言い難い巨木の怪物を演ずるのはまさかのリーアム・ニーソン御大!顔はもちろんのこと、声だって加工されていますし、「モーションキャプチャー」で演技って言われても、ねぇ。まぁ贅沢すぎる起用です。
ステレオタイプな設定と裏腹に怪物の語る話は予定調和回避で、そのあたりがテーマなのかなと思いながら鑑賞、でもあまりぴんときませんでした。ありがちな少年の成長ストーリーというわけでもなく、泣けるほど入り込める要素もなく・・・。
怪物の強要する、少年が語るべき「真実」は、そんなにまでして対峙しなければならないものとも思えないのですね。どうも荒療治に過ぎるようで、もう少し時間をかけてスローランディングで乗り越えればいいのではないかと。
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