(2014年/イギリス)
「天才にまつわるエトセトラ」ものとして、何となく『イミテーション・ゲーム』とごっちゃのまま今まで未観だった作品。
主人公のスティーヴン・ホーキング博士演ずるは『リリーのすべて』のエディ・レッドメインさん。のっぴきならない辛苦を背負う役が多いですね。今回も難病ALSで顔を歪めながら最後にはセリフも言えずに感情を表現するという難役を見事にこなされていました。アカデミー賞主演男優賞、納得です。
「彼女」にはフェリシティ・ジョーンズ嬢。彼女も良かったです。『怪物はささやく』の母親役・・・覚えてないなぁ。
序盤の(病前の)博士と彼女の出会いは「ベタな恋愛モノ」全開で「このままだとちと辛いな」と思ってましたが、やはり博士がALSで倒れてからが本作の真骨頂となります。
「博士と献身的な彼女が難病を乗り越える」という分かりやすいストーリーを軸にしながらも、その家族を支える男性や博士のリハビリ担当の女性が絡んで、「あれれ?」という感じを残しつつ話は進みます。
存命著名人を題材にしているだけにドキュメンタリーではなく、「事実から想像されるエピソード」を散りばめた創作にせざるを得ないんだろうな、と。
観ている方もそんな「週刊誌ネタ」みたいなものが観たいわけではないので別に良いんですが、没入したいのに肝心な時に素に戻される感がありました。素直に泣かせて欲しい。
博士のラストの一言も素晴らしいのですが、当の子供たちの心中やいかに。凡人がいうのもなんですが、人生の幸せたるもの、博士の追い求める「宇宙を紐解くシンプルなひとつの方程式」という具合にはいかないんでしょうね。
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