(2017年/イギリス)
1996年公開の「トレインスポッティング」の実に20年振りとなる続編で、主要キャストがそのまま出演していることでも話題となった作品。
そもそも一作目が何故一世を風靡したのかよく理解できませんでした。確かにスタイリッシュな映像と音楽ですが、内容はドラッグ漬けの駄目ヤングの駄目っぷりを生々しく描いたもので、敢えてスラングを使わせていただけるならば「Shit!」の一言、こういうのをカルチャーとして受け容れるのはいかがなものか、と。
そんな気持ちで観た続編ですが、これはもう奇跡としか言いようがありません。20年という歳月をものともしない駄目メンバーの「Shit!」振りたるや、天晴れの一言!そしてこれまた一作目と同じダニー・ボイル監督が今風をきちんと消化しながらも変わらぬスタイリッシュさたるや!
さすが『28週後… 』『スラムドッグ$ミリオネア』『127時間』『スティーブ・ジョブズ』、そして最新作の『イエスタデイ』といった話題作を作り続けてきた監督さんです。
一作目と奇跡のような続編を観て思うに「両端にヘヴィ―級の重石をつけたままバック転してバランスする弥次郎兵衛のような映画」だと。
ドラッグ漬けの若者、続編ではアラフィフのおっさんの話なんてヘヴィ―過ぎて観たくもないですし、逆にスタイリッシュなだけの映像と音楽なんてMTVでも見ていれば済む話ですが、これをくっつけてバランスさせる職人芸、そして20年を経て同じメンバーで同じ芸当をやってみせる凄味!
主役のユアン・マクレガー氏も数々の作品で第一線を走ってきた俳優さんながらベテラン風情をひけらかすでもなく、20年前に演じたキャラクターの青臭さを自然に背負って魅せてくれる巧さも光ってました。
独特の風貌で存在感を持つユエン・ブレムナー氏と、初期のタランティーノ監督作品やコーエン兄弟監督作品で異彩を放っていたスティーヴ・ブシェミ氏って何だかダブっちゃうんですね。別にだからどうということでもないのですが。
コメント
最低野郎が年をとり更に年季の入った最低ぶりをひけらかす。10年だと少し短いし30年だとちょっと枯れている、20年ぶりに同じキャストで作ったところがミソかも知れませんね。
ネットでチェックしたところオフィシャルサイトがありましたが・・・この四人、面構えがいい。不貞腐れ何でも人のせいにし自分本位を隠さない堂々たる中年ですな。
彼らをスタイリッシュな映像と音楽でまとめて動かせば、なかなか面白いものになりそうです。駄作を20年後に名作にする、自分も昔の曲を掘り出してきてトライしてみようと思いました。
流行なんかも20年サイクルで巡っているような気もしますし、仰る通り「20年」というのがひとつポイントなのかもしれませんね。
オフィシャルサイトを見てきましたが、最低4人組が居並ぶのがトイレとは・・・1作目も2作目もトイレのシーンがありまして、特に1作目はここに書くのも憚られるようなことになっております。嗚呼最低!
それにしてもOJさんの曲のリバイバル!是非に!!