(2003年/韓国)
『パラサイト~半地下の家族』『グエルム-漢江の怪物-』のポン・ジュノ監督とソン・ガンホ氏コンビ作品。
1980年代後半に起きた連続強姦殺人事件が題材となっていて、3千人の容疑者が取り調べを受け、作品公開当時も未解決でした。(2019年になって犯人逮捕)
『パラサイト』にしても『グエルム』にしても根底にはポン・ジュノ監督の「怒り」があるわけですが、本作でも犯人に対する「怒り」もさることながら、容疑者に対する警察の強引な取り調べにもその矛先は向けられているのでしょう。
例によって、その「怒り」はそのまま描かず、時折コミカルさを挟んだりしながら、どんどん観客を引き込んだうえで、ラストにポンと提示されます。監督の手綱さばきの上手さもさることながら、ソン・ガンホ氏のニコリともしないのに可笑しかったり、全く同じ顔で怖かったり自由自在な演技力あっての賜物でしょう。
ラストの幕切れのタイミングも絶妙でした。
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