ベース購入

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ここ最近リサイクルショップ巡りが趣味となっていて、なんか面白い楽器がないか、と。電子ドラムもmorrisのエレアコもウクレレも全部リサイクルショップで購入したし、まともに楽器屋で楽器を買うことがなくなっちゃいましたね。

この前はボンゴを探しにわざわざ京都の楽器屋まで行って来ました。中古の5千円のボンゴだったですが、ネットで見た感じに比べて大きくて重くて本格的過ぎたので買わずに帰ってきました。なんかこう「遊び感覚」で良いんですね。「そんなウクレレなんぞ放っておいて、私をお叩きなさい」的な存在感を放たれるとちょっと困ってしまうのです。

で、昨日も2nd Streetというリサイクルショップに立ち寄る。この道向かいには良品買館もあってリサイクルショップ激戦区なのです。リサイクルショップマニアにとっては堪らないです。

ここでエレキベースYAMAHA MotionB 11,900円を見つける。本当は木目のやつが欲しかったのでブルーは気に入りませんでしたが、なにはともあれMotionBがこのお値段。ネットの中古でも15,000円は下りません。そもそもこの店はあんまり楽器に力を入れてないので、逆にこういうお値打ち品がぽっと出てくるんですね。「本部が楽器も置いとけってうるさいから、まぁ綺麗なもんだけ適当に仕入れとくか」的スタンスが功を奏するわけです。値段の付け方を知らないというか。楽器屋の中古ではなかなかこういうことはありえない。

で、その場でレジに11,900円を置いて買って帰りました、となると話が早いのですが、「10,000円になりますか」とつい値切ってしまったので話が長くなります。

「いやぁ、ちょっと無理ですね」とイケメンのヤング店員が言う。目が笑っていない。これは無理だ。こちらもリサイクルショップマニアなので、そういうのは分かるのです。

「ですが、メルマガ会員にこの場でなって頂ければ10%オフになりますけど」。ショップが通常やっている特典だから、こういうのは値引きでもなんでもないですが、安くなるならばなんだってする。かばんの携帯電話を探して狼狽する。「しまった。会社の携帯しか持って来てない」まさか会社の携帯に2nd Streetのメルマガがバンバン送られてきたりしたら怒られてしまう。

「それじゃ仕方ないですね。次に来店されたときは必ず会員になって下さいよ」とか苦笑しながら言うのかと思ったら、「3日間商品の取り置きが出来ますので、またご来店いただいたときにメルマガ会員の手続きをお願いします。登録画面を確認しないと10%引きできないんです」とクールに言われる。

横で相方が「いらない楽器を売ったら、その分安くなりますよね」と言ったら、イケメン店員は初めて苦笑しながら「いやぁ、またそれは別の話ですので」と言う。どこまでもクールにして冷静である。確かに仰るとおりそれとこれとは別の問題。でも、客商売なら愛想でもなんでもいいから「是非持ってきて見せてください!当店の商品をお買い上げいただく場合の買取はちょっと頑張らせてもらってるんで」とか言えんのかね。

こういうのは芸風の問題ですね。こちらとしてはちょっと笑いを絡ませながら、ちょっと値切ってもらって、ちょっとした満足感とともに買い物して帰るのがリサイクルショップなのだと思っているのですが、イケメン店員にとってはあくまでビジネスなのです。プライスカードにクレームを付ける客には規定のメルマガ会員登録を勧めて、それが無理なら規定の3日間取り置きをするのが仕事です。別に客と規定外の交渉をしなくたってモデルでもホストでも食べていけるのです。決してわれわれがコンビを組んで2丁目劇場の舞台に立つことはない。それが芸風の違いというものです。

どうでも良くなってきたのでイケメン店員に言われるがままに取り置きのカードに名前を書いて帰ってくる。

しかしながら「いらない楽器を売ったら?」というアイデアは有りです。いつも思いつきで行って思いつきで買って帰るので、後から「そういえばクローゼットの中の楽器を売れば良かったな」と気付く失態を演じてきたのでした。

家に帰って早速、Ariaのエレアコ(誰かの結婚式演奏用に買ってほとんど未使用)、Tokaiのジャズベース(友人から譲ってもらったが、でかいし、チューニングに難があるのでほとんど未使用)を引っ張り出してきて、雑巾でゴシゴシ磨く。「中古楽器を査定に出すときは、事前に丹精込めて磨くべし」ということをどこかで読んだことがあるので。まぁ、損得勘定は別にしてもこうして磨いていると、「ほとんど使ってないとはいえ、今まで仲間でいてくれてありがとう」という気持ちになる。雑巾を握り締める手にも自然と力が入る。

キーボードはどうしよう。今回は考えてなかったのですが折角のこういう機会を逃すと永遠にクローゼットの肥やしとなってしまうので、思い切って持って行くことにする。Roland JW-50(十数年来の相棒で今までのほとんどの曲をこれで作った)、Korg D1200(HDDマルチトラックレコーダー使いこなす前にDAWソフトに乗り換えたので、あまり使った記憶がない)。

晩御飯を食べて、19時30分に再び出かける。あの2nd Streetでは弦楽器はともかく、鍵盤楽器やらMTRの買取はしなさそうだし、それをまたあのイケメン店員とやり合うのはコリゴリなので、方向的に真反対に車で30分ほど走ったところにある別のリサイクルショップに行くことにする。ここにはちょっとマニアックな楽器類が色々あるので、クールに「これって何に使うんですか?」的なやり取りはしなくて済むと思われる。

店に楽器を持ち込むと「査定に1時間くらいかかりますがよろしいですか」と言われる。ここから2nd Streetまで行って、ベースを買って戻ってきたら優に1時間はかかる。「お願いします」と言って2nd Streetへ。第二京阪の下の道を走ればここから1直線なので便利である。

再び2nd Streetの階段を上がって、レジにいたイケメン店員に「今度は携帯電話を持ってきました」と告げる。イケメン店員はすっかり私のことを忘れていたみたいだったので「さっきベースを取り置きしてもらった者ですが」と言う。正規のプロセスを経ないことには話しが通じない。これがビジネスである。

My携帯を取り出して、レジに置いてある会員登録用のQRコードを読み取り、空メールを送る。ITである。ところが待てど暮らせど返信メールが帰ってこない。もう一度やってみても同じ。「返信メールが来ないんですけど」とイケメンに言うと「迷惑メール設定をされていると、メールが来ない場合がありますが」と言う。なるほど。身に覚えあり。

「どうしたらいいんですかね」「携帯会社によりますが、迷惑メール設定を一時的に切るか、特定のメールを受信できる機能があるはずです。携帯会社によりますが」。どこまでクールやねん!会員登録の紙の用紙はないんかい!そしたら携帯電話を持ってない客は特典を享受する資格は全くないのか!(「メルマガ会員ですので」とこいつは言うに違いない)何がITだ!明日からはなんでも紙と鉛筆じゃ!

「もういいです。定価で買います」と言う。そこに相方が来る。「そちらの方の携帯で登録してもらっても結構ですが」それをもっと早く言え。

11,900円のベースを1,190円値引いてもらうのに、どれほどの労力が費やされたことか。ガソリン代だってタダではない。なにはともあれ疲れました。イケメンにもITにも。イケメンに生まれなくて本当に良かった。

査定に出しているリサイクルショップにまた戻ってくる。道すがら、相方が「いくらくらいになるかなぁ」といかにもワクワクした調子で言う。「絶対期待しない方がいい」と答える。なんせ、数年前の灼熱の難波日本橋で、ヒィヒィ言いながら担いでいった機材たちが、「10トラックに信号が行ってないようなんで」とかなんとか言われて、持って帰らされた記憶がある。駐車場代が持ち出しである。あれはとてもとても哀しい体験でした。

今回も査定に1時間かけるのだから、彼らは徹底的にやるはずです。中古販売店というのは買取(=仕入れ)に命を懸けているのです。「この暑い中、折角持って来てくれたんだから5,000円付けとくわ」とか言ってたら生き残れません。

買取専用カウンターで「査定終わりました?」と聞く。「あぁ、終わってますよ」と言いながら、店員(店長?)が伝票をあちこち探し回るのを固唾を呑んで見守る。「あぁ、これだ。8,800円ですが、よろしいでしょうか」。こちらは「全部持って帰って下さい」というシナリオも想定していたのです。なんら異議なし。

「貴方は金持ち~」と相方が歌うように言う。さっき2nd Streetであなたの服も一緒に買ったんだから、許して下さい。

というわけで、無駄に長くなりましたが、ようやくトレード成立となったYAMAHA MotionB(MB-40)です。やれやれ。

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