おまじない

Book

西加奈子(2018年/筑摩書房)

この作品は現時点での西さんの最新作なので、過去の作品を読破してから読もうと思っていたのですが、我慢できずに読んじゃいました。

この作品については出版社である筑摩書房さんのYouTube公式ページで西さんへのインタビューがアップされています。塚田農場や清原選手のエピソードなど、インタビュアーの横里隆さんの人柄も相俟って、何回見ても全く飽きません。

今回満を持して、と言いますか予備知識だらけで読み始めたわけですが、たとえ作者自身による解説があっても作品の世界には全く影響しなくて、ぐっと引き込まれてやっぱり泣かされました。

短編でありながら西さん作品の魅力である「しんどい登場人物が最後にはどんでん返す」という凄さは健在です。『燃やす』のお母さん然り、『孫係』のある意味エキセントリックなママ然り。

主人公が受け取る「おまじない」の言葉によって心持ちが変わり、それによって物語の世界が一転するという、なんだか「宇宙ゴマ」を見ているような不可思議さです。

コメント

  1. OJ より:

    順番に読破しようと思いながら、我慢できずに新作に手を伸ばしてしまう。意志堅固なCPさんをそこまで誘惑するとは、西加奈子さんただ者ではないですねw
    しんどい登場人物が最後にどんでん返すというのも、何とも魅力的な話ですね。作品を呼んだことが無いのに既に好きになってしまいました(笑)
    これは徹夜しても良い夜に手にすべき本とお見受けしましたので、機を見てトライしてみようと思います。

  2. C&P より:

    某公共放送の対談番組で椎名林檎さんと対談していたのが西加奈子さんで、椎名さん目当てで見たはずが「この人面白いなぁ」と。直木賞受賞直前ですね。徹夜で本を読むですとか、映画を観るとかいいですよね。昔は深夜1時くらいからの洋画とか観てました。ミッキーロークの「フランチェスコ」とか断片的に覚えてます。わざわざ借りて観ないような作品ばっかりで。もう今や気力体力ともに即寝だと思いますが。