アンボーン

Cinema

(2009年/アメリカ)

夏、ということでホラーです。ジャケ写はあられもない下着姿の女性が見つめる鏡に映る青白い顔の男の子・・・うむ、定番な感じです。

しかしのっけから苦言を呈するようですが、サスペンス映画におけるヒロインのタンクトップ率の高さに負けず劣らず頻出する「自宅におけるユルユル下着姿」。たまに誰かが訪れようものなら、「あら?こんな時間に誰かしら」と小首を傾げながら、ガウンみたいなのをまたまたユルユルと羽織ってドアを開けちゃったりします。いかん、実に遺憾です。

そんな小悪魔な姿が実に良く似合うヒロインはオデット・ユーストマン嬢。ちょっとハッとするくらい綺麗な女性なのですが、少し目を逸らすとどんな顔だったか忘れてしまうタイプでもあります。

そんなヒロインが映るどのシーンも綺麗なのですが、とっかかりみたいなのがなくて、「男の子の霊に悩まされる綺麗な女性の図」みたいな感じで過ぎちゃうんですね。「悩み」があんまりこちらに伝わってこない。美人過ぎるというのもなかなかそれはそれで大変です。

キャラクターがイマイチ定まらない霊能教授(?)が出てきますが、「ひょっとして・・・」と思いきや、やはりあのゲイリー・オールドマン御大!『レオン』や『裏切りのサーカス』など独特の存在感を放つ大御所ですね。ある意味贅沢な起用です。別に誰でもよさそうな役ですし。

そしてクライマックス。そこにはタンクトップで寝台に縛られるヒロインの姿が・・・嗚呼!いかん、遺憾です!!

コメント

  1. OJ より:

    夏だしちょっと暑気払いも兼ねてホラー映画でも見ようかという男性諸君に、とジャケットのコピーに書いていてほしい感じの映画ですね。
    同じストーリーでも、主人公がTシャツオタクよりタンクトップ美女の方が断然見たいですし、サスペンスシーンも盛り上がるでしょう。ただ、あまりに型にはまり過ぎると感情移入が難しくなるというのも分かるような気がします。昔フランスのリチャード・クレイダーマンというピアニストの演奏を聴く機会があり、彼は美しいポピュラーミュージックを弾くのですが、音が全て体をすり抜けていく感覚がしました。余りに予定調和が過ぎて引っかかるものが何も無かったんだと思います。ただ、それもまた職人的な気がして感じ入った次第ですが、今回の作品もその域に達している感じがありますねw

  2. C&P より:

    「主人公がTシャツオタク」!確かにヒロインが「ぴょん吉」のTシャツではさすがに萌えようがありません。
    リチャード・クレイダーマン、結婚披露宴の定番BGM『渚のアデリーヌ』・・・魚も住めなさそうな無色透明さと申しましょうか、「音が全て体をすり抜けていく感覚」分かります。確かに職人芸の域ですよね。
    今回の『アンボーン』はどちらかというと「味をつけ忘れた」類いの無味と云いますか、ゲイリー・オールドマンという逸品を全く活かしきれてなかったり・・・という職人不在にして、タンクトップ&下着美女鑑賞用作品という感じです。