(2015年/アメリカ)
カリフォルニアを襲う大地震・大津波を描いた映画です。
冒頭、土砂崩れに巻き込まれて崖の途中で車ごと宙吊りとなった女性を救出するシーンから引き込まれます。
主人公は凄腕の救助ヘリ操縦士ドウェイン・ジョンソン氏。元プロレスラーなのだそうです。デンゼル・ワシントン氏をもっと野卑にした感じでしょうか。
ジョンソン氏には離婚を迫る奥さんと可愛い娘さんがいますが、奥さんが娘さんとともに新しい彼氏(もちろん金持ち&いけ好かないイケメン)と同居すると知ってちょっとグロッキー。
そんな最中発生する大地震。救助ヘリで崩壊寸前のビルから奥さん救出!
そして車から飛行機からボートを乗り継いで可愛い娘さんの救助に。その昔救えなかった次女(それが原因で奥さんと溝が出来た)・・・今度はかならず救い出す!!というストーリー。
何しろ地震や津波の映像がリアルです。作品中でも地震専門博士によって触れられていましたが、かなり東日本大震災をモチーフにしていると思われます。
だからこそ、どうしても映画として素直に観られないのですね。「2012」など同様な映画と較べても映像のリアリティ、臨場感が凄いです。
でも3.11、まさにあの瞬間、テレビの生中継で道路を走っている車に向かってせり上がってくる海面を見ながら「早く逃げて!でもどこへ?」という息詰まるような気持ちや、そんなことよりも実際にその場で「現実」として地震や津波と対峙した人たちのことを思うに、映画的リアリティが空回る気がします。
大地震と大津波とはこの映画の映像ような感じなのだろうと思いますし、ふざけたところなんて皆無なのですが、沢山の人たちが瓦礫の下敷きになり、海に飲み込まれていく中、主人公の奥さんと娘さんは助かって良かったね、と思うべきなのか、そうでないのか、仕方のないことだと思うべきなのか、そうでないのか・・・あのとき感じたループがまた回り出します。
そういう意味では、~忘れないためにも~こういう映画が必要なのかもしれません。
コメント
映画は主人公に感情移入するように作られているので、彼らが助かって良かったと感じる事は自然なことだと思います。ただ私も3.11を経験し、大災害をテーマとした映画で無邪気に喜べなくなりました。
これは戦争で戦った人が戦争映画を観ないのと同じ事で、世の中が平和だからこそ、戦争や災害の映画が観られるのかもしれませんね。今のところ現実世界が戦争や災害だらけでなくて良かったです。
「ドキドキハラハラの大娯楽映画!」としても観られる作品なので(恐らくそうなのでしょう)勝手に観ている側がオタオタしてしまいます。
しかしOJさんの仰る通り、世の中平和だからこそ、映画を観ながら平和でないことに思いを馳せたり、「怪しからん!」と地団太踏んだりしていられるわけです。
話がそれるようですが、昨日訪れた瀬戸内海に浮かぶ島では、放し飼いのうさぎたちの癒しと戦時中に毒ガスを作っていた軍事施設の廃墟が併存していました。ここでも、何はともあれ平和だな、と思った次第です。