(2000年/アメリカ)
ジャミロクワイにあらず、クリント・イーストウッド主演・監督・製作作品です。
アメリカ初の宇宙飛行士の座をチンパンジーに奪われた空軍パイロットが40年の歳月を経て、再び宇宙を目指すというストーリー。無茶苦茶ですが、宇宙に行くまでの前半はコミカルに、そして宇宙に飛び立ってからの後半はシリアスに、と一粒で二度美味しい映画に仕上げているのは流石イーストウッド監督。「映画ってのはこういうもんだろ?」と。
イーストウッド氏を含む4人の元パイロットチーム、そのうちの一人は『メン・イン・ブラック』シリーズ、『ノーカントリー』、そしてサントリーBOSSのCMでお馴染みのトミー・リー・ジョーンズ氏。真面目なのにとぼけているあの味は本作でも健在です。
少しほろ苦くも、温かなユーモアも感じさせるラスト、そこに流れるフランク・シナトラの『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』・・・前出の『白鯨との闘い』のロン・ハワード監督とはまた違った、余裕あるザッツエンターティメント、ザッツ娯楽映画と言えましょう。
西部劇からスペースカウボーイまで。クリント・イーストウッドという映画人の、ひいてはアメリカという国の懐の深さを思わずにはいられません。
コメント
ロートルの宇宙飛行士が再び宇宙を目指すなんて何かのっぴきならない理由がありそうですが、「スペース カウボーイ」というだけあって、古き良きアメリカンスピリッツを持つ男たちが活躍する雰囲気ですね。宇宙と男気、コミカルでシリアス、ほろ苦くもユーモアを忘れない、やはりこの手の映画はアメリカじゃなければ作れないでしょう。
日本人は無理して真似ずに素直にアニメで勝負するのが正解だと思います。昔カウボーイビバップというTVアニメがあり(映画もありました)、菅野よう子さんの音楽も含めとても上質な作品でした。宇宙へ行こうという話ではオネアミスの翼という映画(音楽は坂本龍一氏)MO良かったです。
それにしても、主演・監督・製作までこなすクリント・イーストウッド氏はとてつもない巨人ですね
『飛べ!宇宙牛少年』(主演:北大路欣也)・・・う~ん仰る通り、日本では無理そうです。
『カウボーイビバップ』というTVアニメは初めて知りましたが、WikiPediaで見るに、制作の裏側でも漢気溢れる作品のようですね。「花は咲く」で知った菅野よう子さんが音楽というのも作り手の「本気度」が伺えます。『オネアミスの翼』の坂本龍一氏というのも凄いですね。先日たまたま『千のナイフ』(1978年)という氏のファーストアルバムを通して聴いたのですが大方理解不能で、「ナイフ言うだけあって何かとがっとるなぁ」と。
イーストウッド氏は御歳89歳で新作『リチャード・ジュエル』が近日日本公開です。「人生100年時代」を地で行っておられますね。