ハッピー・デス・デイ

Cinema

(2017年/アメリカ)

「ハッピー・バース・デイ」の「バース」が「デス」にすげ変わっているという実にベタなタイトルが表しているように、いささかお品の良くない女子大生が誕生日の夜に不気味な仮面の人物に殺されると同時に当日の朝に戻っている・・・という「ループもの」です。

ジャケットからしてホラー映画なのですが、面白いのはループしているうちに女子大生がだんだん慣れてきて、鼻歌を歌いながら同じ朝を辿る様に思わず笑わされたり、心を入れ替えて優しい女性に変わっていく姿に思わず泣かされそうになったり、ループものにもかかわらず(だからこそ?)いつしかその「変化」に見入ってしまいます。

ところが残念なことに、後半が現実的な「真犯人探し」になっちゃうんですね。前半のループが秀逸だっただけに、普通に人間が犯人だと「じゃああのループは一体なんだったんだ?」と。不条理に条理を無理矢理くっつけたらいかんでしょう。

Wikipediaによると、当初のラストが試写会で酷評だったため撮り直ししたとのこと。おいおい撮り直して、これ?という感じです。

でもネットでの評判はいいみたいですし、もうすぐ続編が公開されるようですし・・・恐らく当方の感覚こそが不条理なのでしょう。

コメント

  1. OJ より:

    ループの理由や説明がないループもの?それはなかなか思いつかないというか、採用に踏ん切りがつかない設定ですね。試写会で酷評だったためラストを撮り直したという点も含め、まぁそんなこと気にすんなよという制作側の肝の座り方に脱帽です。
    自分の意識と経験だけが積み重なっていき謎や問題を解決しちゃうというのは、周りの登場人物含め世界全体が引き立て役みたいなもので、ちょっと反則だと思うのですが、続編でこれまでの伏線を回収するつもりかもしれませんね。
    まぁでも「ハッピー・デス・デイ」というタイトルから感じる大らかさからは、伏線なんて小賢しいものはなさそうですね。

  2. C&P より:

    色々映画を観ていると時々「諸般の事情により途中で監督が交代した」とか「複数のエンディングを選びきれなくてそのまま順番にくっつけた」とかいう作品に出くわします。そのたびに「だったら素直に制作中止にすべきではなかろうか。それに2時間くらい付き合わされるこっちの身にもなって欲しい」と強く思うのですが、もっと強く「ここまできたら、You、やっちゃいなよ」というタイプの人が制作サイドに居られるのでしょう。でも「続編?You、それもやっちゃいなよ」は誰かが止めるべきだと思うのですが。