マウス・オブ・マッドネス

Cinema

(1994年/アメリカ)

これも何の予備知識もなく鑑賞。ネズミが出てくるのかと思いきや、さにあらず、ベストセラーホラー作家の小説世界と現実世界が交錯する怪奇映画です。

風間杜夫さんを彷彿とさせる保険調査員サム・ニール氏、柏原芳恵さんのようなジュリー・カーメン嬢が何ともB級感溢れる冗長気味の演技を見せてくれます。アメリカの通販のミニドラマを見ているような。

監督はあの『遊星からの物体X』(1982) のジョン・カーペンター氏。なるほどクセのある一筋縄では行かない雰囲気が漂うわけです。

ホラー小説の世界ですから、もう何でもありです。斧でガンガン頭を叩き割るわ、どこかで見たようなブリッジで迫り来る柏原芳恵嬢、『遊星からの~』さながらの凝りに凝ったクリーチャー・・・いやぁB級っていいなぁ。和むなぁ。

テーマとしては「ほら、スティーブン・キングのホラー小説って没入感が半端なくて現実忘れちゃうよねー」「ほんま、それな」みたいなところからきていると思われます。多分B級居酒屋での会話から。

こういう「リアリティ」とか「実話に基づく」とかいう小賢しさを忘れさせてくれるような映画ってときどき観ると心底ほっとしますね。毎回観るにはしんどいですが。毎食B級グルメだったら胃もたれしてしまうように。

コメント

  1. OJ より:

    狂気のネズミではなく、狂気の口なんですか。内容的には結構凝っていて怖そうなホラーですが、本当に有るかもと感じさせる小賢しさを排除し、和みすら感じさせるとはなかなか侮れないですねw
    確かにたまに食べるB級グルメって美味しく感じますよね。昨年愛知県豊橋市で「豊橋カレーうどん」なるB級グルメを食しましたが、これは地域興しの一環で最近作られたもので、とろろご飯の上にカレーうどんという悪ノリ感満載の食べ物でした。
    やはり地元の人は誰も食べないと聞きましたが、とても好感が持てるB級感でした。豊橋にお立ち寄りの際は是非!

  2. C&P より:

    明石家さんま師匠が「笑いというのは緊張からの緩和」と仰っておられましたが、ある種の「和み」も「恐怖を突き抜けた先にある緩和」のようなものなのかも知れません。ジョン・カーペンター監督に「お笑いと似てまんな」と言ったら怒られそうですが。
    「豊橋カレーうどん」も凄いですね。これも専門家の言う「イノベーションとは今あるモノの掛け算から生まれる」を地で行ったというか。「え?何でこの組み合わせかって?・・・まぁうち、とろろうどんもカレーライスも元々あったしなぁ・・・」これをイノベーションと呼ぶのか、はたまた悪ノリと呼ぶかですが・・・地元の人が食べない時点で、まあ悪ノリに軍配ですが、でもB級とか悪ノリのユルさってどこか憎めないんですよね。「豊橋カレーうどん」・・・行った際には是非!