(1981年/オーストラリア)
観ながら時々「これはもう『北斗の拳』の世界じゃないか」と感じましたが、Wikipediaでも明快に「『北斗の拳』など多くの作品に影響を与えた」とありました。ふむ。
しかしながらこの「影響を与えた」というのも何だか違和感がある話で、ひょっとしたら原作者の武論尊さんや作画の原哲夫さんに訊いたら「え、マッドマックス?何それ?」とか「観たけどあんまり印象に残ってないなぁ」とか仰るかもしれない。ニュースで株価なんかも「米中貿易戦争の影響で・・・」とかそんな分かり易すぎる説明って本当にそうなのかな、と。
それはさておき、第一作目と較べて奥さんがどうとか同僚がどうとかいう義理人情めいたサブストーリーは一切なし、メル・ギブソン氏演ずるマックスも徹頭徹尾「別に世界がどうなろうが俺の知ったこっちゃない」という投げやりな雰囲気が漲っています。その分観ている方は随分気楽です。
「ああ愛する妻がこんな目に!」とかやられるといちいち感情移入しちゃうのでしんどいんですね。その点本作は「もうちょっと親身になったれよ」と言いたくなるくらいにそっけなくてある意味コメディです。「ガソリンさえ貰えたらそれでええねん」という。
犬の演技が凄いのと、スティーヴ・ブシェミ氏を彷彿とさせるヘリコプター兄ちゃんが良い味出してました。あとは子役が『未来少年コナン』のジムシー君みたいでした。
コメント
マッドマックス2、頭のネジが緩い悪漢どもがひたすら荒野を疾走し、十分スピードが乗ったところで派手に爆死していく、終末世界を描いた明るい映画との印象を持っています。
CPさんの考察の通り、余計な伏線ゼロという点とメル・ギブソンの無関心さが気持ち良かったのだと思います。ケンシロウも悪い奴は叩きのめすけど社会をどうこうしようとかなかったし、やはり影響を受けているんでしょうねw
オーストラリア産ということで、いわゆる「ハリウッド的」ではないのが奏功しているかもしれないですね。低予算の中、ヒーヒー言いながら作った1作目がヒットして得た潤沢な予算に大喜び。「車両改造だ!」「大爆発だ!」「え?ストーリー?ええやん、そんなん」というノリがありありと見えます。お年玉をもらった子供たちがオモチャ売り場で大騒ぎしているような微笑ましい光景です。OJさんが仰るように「終末世界を描き」ながらも「明るい映画」たりうるという所以でしょうか。