高慢と偏見とゾンビ

Cinema

(2016年/米・英)

これはずっとジャケットが気になっていた作品。タイトルも何だかよく分からない。さて、どんな映画なのやら。

蓋を開けてみると、そもそも『高邁と偏見』という恋愛小説(別に映画やBBC制作のドラマにもなっている)にゾンビものをくっつけたらしいです。カレーライスに牛丼をトッピングするように。

そしてカレーライスも牛丼もそれなりにちゃんと作られている、というところがまた訳の分からないところです。いやぁ、こういうアイデア、大好きですね。

監督はバー・スティアーズ氏。経歴は、ふむふむ『パルプ・フィクション』(1994年)に出演?なんだか凄いようなそうでもないような・・・他の監督作品は知らないなぁ。

映画の内容ですが、19世紀初めのイングランドが舞台の貴族もの。玉の輿を夢見る5人(!)の女性と「高慢」なイケメン貴族、そしてイケメン貴族のライバルとの恋の行方は如何に・・・そしてトッピングのゾンビとの闘いの行方は如何に・・・。

ヒロインはこちらも「高慢」テイストなリリー・ジェームズ嬢。『ベイビー・ドライバー』のウェイトレスですね。イケメン貴族はサム・ライリー君。知らない人ですが、カマボコ板みたいな声が特徴的です。まぁ偏見ですかね。

ライバルのジャック・ヒューストン氏がどうしてもクリームシチューの有田氏に見えて仕方がなく、これも大いに集中力を欠いてくれました。

面白かったのが、教養が高いところを見せようとした女の子が日本語を話し、それを聞いたヒロインが「・・・私、日本語なんて分からないもの・・・」としょげるシーン。字幕では<世の中の半分の人は違う楽しみを知らず>となっているものの、実際のセリフは

「ヨノナカノナカラワ、ナカラノタノシミノ☆●△◆※◯」。

思わずヒロインのところに走っていって「大丈夫。この人が話しているのは日本語なんかじゃありません。古代ハナモゲラ語です」と肩を抱いてやりたい気持ちで一杯でした。

いやぁ、ホントにヨノナカノナカラワ☆●△◆※◯

コメント

  1. OJ より:

    面白そうな映画ですね。私もこの様なトッピング的な発想は大好きです。昔曲を作る時にサビのメロディを数パターン準備し、それを重ねて入れる事で「キラーフレーズを同時に聴かせてリスナーを混乱させる」という試みをしていた事を思い出しました。・・・トッピングとはちょっと違いますね(笑)
    ベイビー・ドライバーはCPさんのレビューを拝見した後に見ました。リリー・ジェームズ嬢は、ザ・アメリカン・ウェイトレスって感じの方でしたが、彼女やカマボコ板声野郎や有田氏、ナカラノタノシミ嬢にゾンビ!なんとも前のめりな感じに好感が持てます。
    トッピングの奥深さ、これからも追求していきたいと思います。

  2. C&P より:

    「サビメロ数パターン同時盛り」とは何て贅沢な!!当方の場合、ひとつのメロディをこっそり分けて3曲くらい作りますね。カレーライスの次の日はカレーうどん、その次の日はカレースパゲティという具合に。上あごにカレーの膜みたいなのが貼りついて大変なんです。
    ザ・アメリカン・ウェイトレスにカマボコ板野郎とクリームシチュー、ナカラノタノシミ嬢に英国産ゾンビを添えて・・・こうして羅列するとトッピングの域を遥かに超えたゲテモノ喰い風情ですね。