アンモナイトの目覚め

Cinema

(2020年/イギリス・オーストラリア・アメリカ)

全く予備知識なく鑑賞。海辺の片田舎町で観光客向けに化石を販売する女性化石発掘科学者と地学者の夫に連れられて訪れたセレブ婦人との物語。実在人物がモデルで科学者はメアリー・アニング(1799-1847)さん。

薄暗く周囲がボケる画面に映るメアリーの浮かない顔と頑固そうな老母とどう見ても貧乏な暮らし振りに「こりゃ重い映画になりそうだ」と覚悟する。

地学者の夫がノイローゼ気味の妻をしばらくの間メアリーに押し付けたところから物語が動き出します。最初は全くやる気のなかったメアリーですが、風邪をこじらせたセレブ妻シャーロットに懸命な看病をしてから彼女の心にも徐々に・・・と、ここまでくるとメアリーの無表情のかすかな変化からも目が離せず引き込まれてました。

ラスト、大英博物館の化石陳列台を挟んで見つめ合う二人を少し引いたところから映し続けるカメラ。ほんの1秒長くても短くてもいけない絶妙な瞬間でのカットからエンドロール。あまりに完璧なタイミングに思わず涙が出そうになりました。

あとで気づいたのですが、メアリーはあのケイト・ウィンスレット女史(『タイタニック』『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』『ホリデイ』)!この人もナオミ・ワッツ嬢と並ぶ「あとから気付くそうだったんだ」シリーズの女優さんです。そしてシャーロットはシアーシャ・ローナン?ということはあの『レディ・バード』!?「そうだったんだ」シリーズ新規ご加入です。

メアリーへの恋心見え見えの町医者やシャーロットの旦那を絡めればもっと昼ドラ的展開もありうるところですが深追いしなかったり、シャーロットの召使いへの非道ぶりをわざわざ描いて「理想のヒロイン」に仕立て上げなかったり、あくまでもメアリーとシャーロットの「心の発掘作業」に重きを置いた演出が素敵な映画でした。

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