(2019年/アメリカ)
冒頭、豪奢なワードローブから時計などをチョイスして町へジョギングに繰り出す黒人老紳士をカメラが追う、スタイリッシュな出だしに期待大。
ところがそこから舞台をメインの、これまた豪奢&機械警備万全の館に移った途端になんだかモタモタし始めます。
自宅に押し入った強盗たちと母子の息詰まる攻防、という構図は『パニック・ルーム』と同様なのですが、強盗たちの呆気にとられるような脇の甘さもこれまたきっちり踏襲されています。
それでも『パニック・ルーム』強盗団の「揃いもそろって」状態より幾分ましなのは、本作のリーダー格がまだピリッとした存在感を放っているところ。
とはいえ強盗団ばかりの不甲斐なさを責めるのも酷で、例えば母親の操縦するドローンで強盗リーダーをミスリードするシーンがあるのですが、実際に飛行中のドローンを知っていれば、あの「シェーーーーン!」という羽音(?)でバレバレです。作り手のアイデアも分かりますが、「してやったり!」顔でやられると鼻白んでしまいます。
矛盾するようですが、だったらどこまでもリアルなら良いのかというとそれはそれで観れないわけで、色々と大味なところも含めて、のんびりとハラハラできる得難い一本なのかもしれません。
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