LIFE!

Cinema

(2013年/アメリカ)

主役のベン・スティラー氏はどこかでみたと思ったら、やはり『ズーランダー』の人でした。本作も製作・監督・出演(『ズーランダー』では脚本も)と相変わらずの多才ぶりです。そして相変わらずのコミカルさ。本作に対するWikiPediaの「叙事詩的コメディドラマファンタジー映画」って、もう何がなんだかよく分からないですが、要するにベン・スティラー節全開、ということですね。

何しろベン・スティラー氏演ずる主人公の妄想シーンが奇天烈すぎて。これは映画でしか表現できない面白さです。

ヒロインのクリスティン・ウィグ嬢は観ながらずっと『エスター』のお母さん役ヴェラ・ファーミガ嬢と勘違いしておりましたが、今回初見でした。相済みません。

愛すべき同僚役はアメリカの西田敏行ことエイドリアン・マルティネス氏。『キック・アス』、『アメリカン・ハッスル』、そして先日の『フォーカス』など数々の作品に出演のバイプレイヤー。さすが探偵ナイトスクープ局長!(古い)

ストーリー運びもベン・スティラー氏らしい直球勝負。スケボーでの坂道急降下シーンのようなノーブレーキ走法でニューヨークからグリーンランド・アイスランド、そしてアフガニスタンの剣峰へ。そこでやっと見つけた漢気溢れる流浪のフリーカメラマンはショーン・ペン氏。渋い!

フォト雑誌「LIFE」誌の廃刊・ネット化が示す時代の波に対して、しがみついて抗うことよりも、もっと大切なことがあるじゃないか、という明快なメッセージは、この非常な新春ゆえにさらに染み入ります。叙事詩的馬鹿馬鹿しさをまといつつも、シンプルに良い映画でした。

蛇足ながら、劇場公開版の日本語吹替が岡村隆史氏でセリフが関西弁というのは如何なものかと思いますが。字幕版で良かった。

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