メリーに首ったけ

Cinema

(1998年/アメリカ)

ベン・スティラー氏続き、そしてキャメロン・ディアス嬢の出世作。のっけからテーマソング(?)を木の上(!)で弾き語る二人組のトホホ感が秀逸です。

今までキャメロン・ディアス嬢を時々お見掛けするものの、その爬虫類っぽさが正直苦手だったのですが、この作品で魅力がやっと分かりました。「首ったけ」と言っても全く届かない「高嶺の花」でもなく、キュートで、下ネタもそれなりにOKで、思い切って飛べば届くかもという感じが良いんですね。さすがモデル出身という足の長さと細さにびっくりです。

ベン・スティラー氏もこの頃から全くぶれがなく素晴らしいです。もちろん監督は別ですが、本作の大いなる「馬鹿馬鹿しさ」を血肉として今も踏襲しているのでしょう。身体障碍も知的障碍も動物虐待も下ネタも偏見無しで取り込んで、馬鹿馬鹿しさというまな板の上に放り出されると結構普通に観れてしまうのが不思議です。誤解を恐れずにいえば、往年のドリフターズやダウンタウンのコントのような感じでしょうか。「ワハハ、ダメだこりゃ!」と皆で言えないと。

もう日本では、健全なる何とか委員会とかの検閲で無理なのでしょうけれど、自由の国アメリカなら今でもやってくれそうな気もします。さすがに無理なのかな。そういうことから目をそらして無きものと扱う方がよっぽど不健全だと思うんですけれど。

コメント

  1. OJ より:

    明けましておめでとうございます!今年もCPさんの活動に注目して参りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します(笑)
    「メリーに首ったけ」は題名聞いたことが有りますが、中々良い映画の様ですね。映画は日常に縛りがある諸々を「偏見無しで取り込んで、馬鹿馬鹿しさというまな板の上に放り出す」という事が出来るから魅力的なんですよね。「ワハハ、ダメだこりゃ!」と皆で笑うのも、そこに受け入れる気持ちがあればむしろ健全な反応だと思います。
    昔大阪で電車に乗っていた際、終着駅に到着した時に寝ていた浮浪者風のおじさんに「おっちゃん着いたで」と普通に声をかける若者がいて、東京では見られない風景だなぁと感じたことが有ります。小難しく理屈をつけてあるものを無い事とする人よりよほど自然なふるまいですよね。
    という事で、私も「軽く明るく」をモットーに今年を過ごしていきたいと思います!

  2. C&P より:

    明けましておめでとうございます!今年も何卒宜しくお願い申し上げます。
    不特定多数の人が見るCMとかですと色々と難しい問題があるんでしょうけれど、仰る通り映画とかお笑いは現実っぽい非現実ですから日常の縛りを俯瞰で見ることができますもんね。そうやって映画やお笑いを見て「ダメだこりゃ!」という訓練を経ずに、現実社会で本当に「ダメだこりゃ!」をやってしまっちゃってる人って結構ニュースで見かける気がします。非現実世界での反面教師って必要ではないか、と。
    電車の若者のエピソードも素敵ですね。見えて無いことにするのが常識な今日この頃、自然に斯くありたいものです。ウィズコロナという意味でも「軽く明るく」、良いですね!当方も心掛けたいと思います。