リヴォルト

Cinema

(2017年/イギリス・南アフリカ共和国)

何の予備知識もなく鑑賞。オープニングが格好良い。真っ白な画面の中央に静止するヘリコプター。スローで動き出したと思ったら、機体が変な方向に回りだして、そのまま地面に墜落。逃げ惑う村人たちと「敵」に向かう兵士たち。その向かう「敵」とは・・・。

場面は一転して廃屋の牢屋の中で目覚めた主人公のアメリカ兵士。記憶がない。ジタバタしているのをたしなめるのは隣の檻のタンクトップ女医。タンクトップと女医フェチズムは世界共通。もはや平和の象徴ですね。ピース。

当然、戦闘能力抜群のヒーローとタンクトップ姿抜群のヒロインは脱出して、現地のアメリカ基地を目指す。折々やってくる敵は訳の分からない鉄骨マシーン、訳の分からないビーム光線で一瞬に人を消し去る無敵振り。どう見ても勝ち目なし。

スケジュールの都合か、予算の都合か、途中で平和の象徴であるタンクトップ女医が巨大宇宙船に吸い上げられての「退場」。すっかりやる気を失ったヒーローの眼前には廃墟と化したアメリカ基地が。傷心のまま町にうずくまるヒーローを敵が襲い、気づくと生き残った人々が隠れる医療施設のベッドの上。

というような感じで進むのですが(ここからネタバレです)、ラスト間際では無敵鉄骨マシーンが「あいてててて!」という感じで村人の投石攻撃に無抵抗だったり(まさかの殺人ビームたま切れ?)、何だかよく分からないままに宇宙船が(タンクトップヒロインもろとも)撃沈されたり・・・もう大変です。この期におよんでヒーローは記憶を取り戻し「俺の住所はナントカ〇〇番地だ。名前は・・・まぁいいや、タンクトップ女医が付けてくれた仮名のままで」すみません、本当にどうでも良いです。

凄い宇宙船や最強マシーンが出てきたりして見た目は凄いのに、どこか肝心なところが決定的に抜けている、というところは同じ南アフリカ共和国製作の『第9地区』にも共通していて、一周回って愛すべき作品となっています。

映画的には大いにハリウッドの影響を受けながらも、内容にはところどころにアンチアメリカを入れてくるのも面白いところです。「愛憎相半ばする」んでしょうね、何かアメリカって。

コメント

  1. OJ より:

    タンクトップ女医が気になります。きっと才色兼備ではなく才食兼備的なスタイル抜群の肉食系美女なんでしょうね。さばけた性格で呑み友達としても気の置けない仲、時にはお互い愚痴を言いあったりしながらも下手に深入りせずにいられるような。・・・そんな彼女が巨大宇宙船に吸い上げられての途中退場&撃墜?CPさんのレビューを読みながらちょっと待て撃墜すんなぁ!と拳を握りしめてしました。
    まぁそれも含めて「一周回りの愛すべき作品」に仕上げるとは南アフリカ映画侮り難しです。

  2. C&P より:

    「さばけた性格で呑み友達としても気の置けない仲、時にはお互い愚痴を言いあったりしながらも下手に深入りせずにいられるようなタンクトップグラマー肉食系美女」溢れ出るリアリティにOJさんの日常が垣間見えるようで、当方ハンケチをギリギリと噛み締めてしまいそうです。
    時々、周回遅れなのにトップランナーと張り合う人っていますよね。いやいや一周遅れとるっちゅうに、といいながら、でもなんだかみんなワーッと応援しちゃったり、どうもそんな愛おしさがあるんですね。なかなか狙ってできるものではありませんし、全く以て侮れません。