まく子

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西加奈子(2016年/福音館書店)2019年3月15日に映画化される本作「まく子」。映画ではあの草なぎ剛氏が駄目おやじ役をやることが注目されていますが、原作を読むにまずはコズエさんの不思議なクールさ、少年から大人の男への過渡期に人知れず悶絶する慧くんという小学5年生の主役たちがやはり肝です。草なぎお父さんがメインだと思って観に行く人は間違いなくガッカリすると思います。お気を付け下さい。ひなびた温泉...

ハンガー・ゲーム

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(2012年/アメリカ)シリーズ化ということもあってか、何かとジャケットを見る機会が多くて気になっていた映画。そのジャケットから弓矢を使う美女(ジェニファー・ローレンス嬢、初見です)が主人公だと知りつつも、そのタイトルからハンガーを武器に用いた「刑事物語」の武田鉄矢氏の顔が思い浮かぶのは日本国民の性か。12地区から選抜された24名の男女による殺人サバイバルをブルジョア民が「ゲーム」として鑑賞する、...

デジャヴ

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(2006年/アメリカ)「ザ・ウォーカー」「イコライザー」のデンゼル・ワシントン主演のSFサスペンス映画。全く個人的な意見ですが、デンゼル・ワシントンさんって「にこりともせずに正論をそのまま貫き通す人」という印象があって、どことなく前アメリカ大統領オバマ氏と重なっちゃうんですね。今回の役どころもそんな雰囲気です。デンゼル氏にデジャヴ(この光景は以前どこかで見たことがある)的能力があるのかと思いきや...

第9地区

Cinema
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(2009年/アメリカ 他)巨大な宇宙船が上空に浮かんでいる様子から宇宙人による地球征服ものかと思いきや、エイリアンを南アフリカ共和国の「第9地区」に居住させて20年経過、新たな第10地区に移住させることにしたが・・・というストーリー。移住作戦担当者に任命された主人公の舞い上がり様が無様で面白いのです。エイリアンに対していちいち立ち退き承諾書にサインを要求したり、抵抗するエイリアンに円筒状のものを...

こうふく みどりの

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西加奈子(2008年/小学館)もう何なんでしょうね、中盤の全然泣くところでもないところでボロボロ泣けてくるというのは。中学生の女の子、緑が主人公で彼女目線で基本ストーリーが進むものの途中でゴシック体の「書簡」が挿入されます。それが誰が誰に向けて書いたものかがはっきりしないので(しかもひとりではなく、複数の書き手であるため)もやもやするのですが、最後には回収されてスッキリします、と言いたいところです...

スタンド・バイ・ミー

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(1986年/アメリカ)ベン・E・キングの同名曲とともに超有名な作品。1950年代の古き良きアメリカ。ミスタードーナツの世界です。スティーブンキングの原作も読んでいて、鹿が出てくるシーンの静けさが印象的でした。映画ではサラッと流されてる感じでしたが。4人の少年たちが死体探しの旅に出る、という何とも云えないストーリーですが、相変わらず観客(あるいは読者)に感情移入させる仕掛けが上手いなと。主人公の少...

紀元前1万年

Cinema
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(2008年/アメリカ・ニュージーランド)「なんせ紀元前1万年のことなんて誰も知りやしないのだからのんびり観てられるだろう」という低ハードルな鑑賞態度を凌駕するようなハチャメチャな映画でした。寒村で貧困狩猟生活中の原始人。預言者のおばあちゃんが言うには「ヒーロー&ヒロインが現れて、その日暮らしな狩猟生活から安定志向の農耕生活になれるであろう」。照英似のヒーローが宝くじ当選のような経緯でヒロインをゲ...

『 i 』(アイ)

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曲紹介最近読んだある小説に寄せて。歌詞▼『 i 』(アイ)(詞・曲:C&P)「この世界にアイは存在しません」Ai does not exist in this world.<MEGA DEATH>

インターステラ―

Cinema
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(2014年/アメリカ・イギリス)「メメント」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督作品。ジャケ写の印象でいつも何となく「ゼロ・グラビティ」(未鑑賞)とごっちゃになります。主役のマシュー・マコノヒー氏は初見。何回か雑誌の「最もセクシーな男性」に選ばれている人なのだそうですが、そういう風には見えなくて往年の西部劇の脇役っぽいバタ臭さを感じました。それがこの映画(特に序盤)には合っているんで...

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西加奈子(2016年/ポプラ社)先だって色々と本作品にまつわる西さんのインタビューや番組を見ていたのである程度筋書きは知っていたのですが、やはり骨太な内容でした。「サラバ!」でも「自分より生活レベルの低い人たちへの憐憫に自己嫌悪する」主人公がいましたが、本作ではそれに加えて「死んでいった人たちに対する罪悪感」を抱えて苦しむ主人公アイ。彼女がリストカットするようにその死者の数をノートに書き留めるのは...