i Book 2019/01/26 0 西加奈子(2016年/ポプラ社)先だって色々と本作品にまつわる西さんのインタビューや番組を見ていたのである程度筋書きは知っていたのですが、やはり骨太な内容でした。「サラバ!」でも「自分より生活レベルの低い人たちへの憐憫に自己嫌悪する」主人公がいましたが、本作ではそれに加えて「死んでいった人たちに対する罪悪感」を抱えて苦しむ主人公アイ。彼女がリストカットするようにその死者の数をノートに書き留めるのは... Book
うつくしい人 Book 2019/01/26 0 西加奈子(2009年/幻冬舎)あとがきによると執筆当時「中二状態」で、その頃に編集者と訪れた島を舞台にいわば「治療」のために書かれた作品のようです。確かに主人公の女性は、もうこれでもか、というくらいに他者の視線、他人からどう見えているかを気にします。『舞台』の主人公を彷彿としますね。それに加えて主人公には綺麗で繊細なお姉さんがいるのですが、ある事情で引きこもっています。そして主人公は彼女に対する強... Book
青い珊瑚礁 Cinema 2019/01/26 0 (1980年/アメリカ)有名な作品ですね。要するに「無人島に子どもの男女が二人きりだとどうなるのか」ということか、と。そういう意味では幼い二人が美しい海でイルカのように泳ぐシーンにすら付加されるボカシがとにかく邪魔で、何も考える前から「そこのおじさん、こんなの見るなんてあんたも好きねぇ」と言われているようなものです。電車の中で観ていてもつい周りの目を気にしてしまう。「じゃあボカシがなければ堂々と観... Cinema
こうふく あかの Book 2019/01/20 0 西加奈子(2008年/小学館)図書館から借りている本が手元に溜まっているので、もう片っ端から読んでいる状態で、本作は西さんの作品にもかかわらず泣かずに読了かと思って気を抜いたラストの3行で泣かされてしまいました。西先生、油断も隙もありません。西さん作品の定番ともいえる、最初はシンドイ登場人物がどんでん返し的に変化をしていくストーリーなのですが、今回は最後までシンドさを引きづって土俵際いっぱいでのう... Book
ドーン・オブ・ザ・デッド Cinema 2019/01/20 0 (2004年/アメリカ)あの「ゾンビ」(1978年)のリメイク版。といってもオリジナルも観てませんが。オリジナルとの大きな違いはゾンビが「走る」ことだそうで、なるほど、大量のゾンビ達が常時、西宮神社新春福男選び状態です。オープニングから3分くらいで突然主人公の近所の女の子や噛まれた旦那さんがゾンビになって問答無用で襲い掛かってきます。ホウホウの体で逃げ出した街中もゾンビだらけ。なぜそうなのかという... Cinema
消滅世界 Book 2019/01/20 0 村田沙耶香(2015年/河出書房新書)映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』と同じくこちらも「シチュエーションスリラー」と言えるでしょう。「夫婦で愛し合うのは近親相姦」「それぞれ外で恋人を作るのが当たり前」「子どもは体外受精で」。我々の「正常」「常識」をこれくらい明快に揺さぶる小説というのもないですね。「何言ってるの。家族じゃない。駆け落ちするときだって一緒なのが家族でしょ」というセリフには思わず吹き出... Book
サラバ! Book 2019/01/14 0 西加奈子(2014年/小学館)ずっと読みたかったこの作品、やっと読み終わりました。2015年の第152回直木三十五賞受賞作品です。会見の際、後半がずっとプロレスの話で「あれ?私何の話してるんでしたっけ?」という西さんが最高にキュートでしたね。もう終盤では主人公とヤコブとエジプトのナイル川のほとりで一緒に泣いてました。西さんの作品にはいつも泣かされちゃうんですね。冷静に考えると一体何に泣いているのか... Book
SummerTime Song 2019/01/14 0 曲紹介新春気分冷めやらぬ極寒の最中、祝成人の日に敢えて問う常夏的曲。「浮遊感のある曲を」と思ったらこうなってしまったのです。嗚呼、我ながら迷走。歌詞▼SummerTime(詞・曲:C&P)SummerTime...lalalalala Song
ミッキーたくまし Book 2019/01/13 0 西加奈子(2009年/筑摩書房)小説もさることながら、そのトークの素晴らしさも魅了的な西さんのエッセイということで、期待の一冊でした。いやあさすが西さん、想像を超えるエッセイでした。動画でみる出版関係のインタビューでの熱いものはらみながらも抑え気味な受け答えや、椎名林檎さんの懐に自然に飛び込む潔さやオールナイトニッポンでオードリー若林氏との爆裂天然トーク・・・当方なりに色々な西先生の側面を見ること... Book
遊星からの物体Ⅹ Cinema 2019/01/13 0 (1982年/アメリカ)先日観たタランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」と本作が、主演(カート・ラッセル)・音楽(エンニオ・モリコーネ)が同じで、なおかつタランティーノ監督がオマージュしていると思われるシーンを並列で見せる動画もあって、ちゃんと観てみたかったのです。結論から言うと本作を観ながら「ヘイトフル~」を彷彿とさせたシーンは、吹雪の中、誘導の杭をたぐりながら建物を目指すシーンくらいでした。... Cinema