パッセンジャー

Cinema

(2016年/アメリカ)

日本版のキャッチコピー「乗客5000人 目的地まで120年 90年も早く 2人だけが目覚めた 理由は1つーー。」・・・ということで宇宙船モノです。

最初に目覚めるのは、多分初見のクリス・プラット氏。そして次に目覚めるヒロインはジェニファー・ローレンス嬢。あの『ハンガー・ゲーム』のツンデレぶりは本作でも遺憾なく発揮されています。

5000人も乗客が居ながら、ほとんどが冬眠中なので登場人物はこの二人とバーテンダー(下半身はマシンむきだしのサイボーグ)と早起き3人目の乗組員役ローレンス・フィッシュバーン氏・・・といえば『マトリックス』や最近特に思い出される感染症映画『コンテイジョン』で存在感をみせた俳優さんですね。見ているときは気がつきませんでした。

何気に豪華ですが、キャストはこれだけです。

先にも触れましたが、なにしろジェニファー・ローレンス嬢の存在感と鬼気迫るツンデレ演技で観せてくれます。どちらかというと「女は愛嬌」に一票!の当方にとってもその魅力は認めざるを得ません。

ラストもじんわりとした余韻を残す良作・・・と思いきや、批評家の評価は芳しくないらしいです。Wikipediaによると「乗客(作品)はクリス・プラットとジェニファー・ローレンスがうまく連携したことを証明しているが、科学的に致命的な欠陥のある物語を克服するには不十分」とのこと。

批評を批評するのもどうかと思いますが、それにしても映画の「科学的に致命的な欠陥」を気にする観客が一体どれくらいいるのか、と。そんなものが気になるなら最初から映画なんて観ずに難しい論文でも読んでいればいいのに。

確かに予定調和やご都合主義に過ぎるとはいえ、そんな「欠陥」を凌駕する本作のテーマ「生や死を選ぶということ」、それは(奇しくも今日3.11という日とも相俟って)静かに胸に迫るものがあります。

たとえ科学的に正確であろうが決して論文には出来ない、映画ならではの芸当です。

コメント

  1. OJ より:

    鬼気迫るツンデレ女優!?ジェニファー・ローレンス嬢チェックしてみました。う〜む・・・、ツンデレされてぇ!と思わず芋焼酎のグラスを握りしめ唸ってしまいました。
    この状況は、冬眠しながら宇宙船で遠くへ移動しようとしているのでしょうか。宇宙は広いのでワープができないとSFの世界はほとんど移動時間になっちゃいます。「科学的に致命的な欠陥」くらい大目に見ないと盛り上がらないですよ。
    全く評論家の皆さんは小難しいことをおっしゃりますね。もし赤提灯でご一緒したらご都合主義の素晴らしさを叩き込んでやるのにw

  2. C&P より:

    ジェニファー・ローレンス嬢のツンデレの「ツン」の方ですが、就寝中の主人公の上に仁王立ちの体勢からグーで思いっきり顔を打撲した上、額目がけて鉄パイプをフルスイング・・・という感じです。ご参考までに。
    映画の状況ですが、お察しの通り「冬眠しながら宇宙船で遠くへ移動中に早起きしてしまった主人公たちの運命や如何に!?」です。そんなのに理屈もへったくれもあったもんじゃないですよね?赤提灯で是非ジェニファー嬢ばりの「ツン」をお見舞いしてやって下さい。